極私的マンガウォッチング「B館」

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<<   作成日時 : 2004/05/10 00:28   >>

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ひさびさに読書の一日。

■「走る!漫画家」(渡辺やよい)創出版[amazon]
件のさくら出版漫画原稿流出事件の当事者として文字通り走り回った1年弱の出来事を綴る。Webサイトの日記や雑誌「創」の記事などをこの一年追いかけてきた人間にとっては新味な内容ではないが、そこまでフォローしている人はどれだけいるだろうか。そういう意味でも一冊の本としてまとまったことに意義がある。文章は読みやすく迫力もある。

■「日本アニメーションの力」(津堅信之)NTT出版[amazon]
手塚治虫と宮崎駿、虫プロと東映動画、という象徴的な対比から、日本アニメーション85年の歴史を概観する。リミテッド技法による大量生産システムと、作家性の強いメディア芸術としての位置づけに見られる日本アニメの特色を、戦前、戦後アニメ史の中から浮かび上がらせる試み。

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「漫画原稿を守る会」を閉会いたします(漫画原稿を守る会)
「漫画原稿を守る会」閉会のお知らせ
会としての裁判の終結、ある程度の原稿の返却、会の世話人であった渡辺やよい先生の本の出版を機に、「閉会」とさせていただきます。
(閉会宣言より)

さくら出版からの漫画原稿流出事件をきっかけに作られた「漫画原稿を守る会」が閉会することとなった。公式サイトには閉会のお知らせとともに、会の代表である弘兼憲史の閉会宣言、世話人の渡辺やよい、大島やすいち、川島れいこの退任が告知されている。

会の発足から閉会までの主な動きをまとめてみる。

・流出原稿返却及び情報提供の呼びかけ(関係者への呼びかけ、webサイトでの告知や同人誌即売会でのチラシ配布)
・マスコミ向け記者会見の開催
・賛同者およびカンパを募る(カンパは後に閉じられた。)
・公式サイトの開設および運営
・被害者3名を原告とした、出版社元社長に対する原稿引渡を求める民事訴訟(裁判費用の一部をカンパで充当。裁判中に原告2名の原稿が下記大島プロへの返却原稿の中に見つかったため、2名は告訴取り下げ。残る1名によって裁判は続き、原告完全勝訴となった。ただし被告は裁判を終始欠席しており、返却や賠償の意思・能力は不明。)
・弘兼憲史個人による、まんだらけに対する原稿の販売差し止め請求裁判(原稿の無償返還で和解成立。ただし、被害原稿の盗難届が警察に受理されているため、出版社元社長に対する捜査は続行中?)
・渡辺やよい個人による、まんだらけに対する損害賠償金請求の民事訴訟(継続中。)
・文化庁職員との懇談(2回)
・出版社元社長から大島プロに原稿が引き渡される。(しかし復刻単行本用など一部の行方不明原稿は含まれていなかった。)作家196名分、計21,327ページの整理と返却作業。(現在までに約7割を返却。100余名の作家と連絡が取れないなどの理由で約6,000ページが引き取り手がない状態。)
・本事件を綴った渡辺やよいの著作「走る!漫画家」が出版

約10ヶ月の出来事としては決して少なくない。なにより、前代未聞の大量原稿流出事件を社会に知らしめ、業界の体質改善を訴えたことには大きな意味があると思う。世話人の方々の奮闘ぶりにあらためて敬意を表したい。

「漫画原稿を守る会」は、会の目的として以下の3つを掲げてきた。
・不正流出した原稿を取りもどすために全力を尽くします。
・漫画原稿の所有者は誰であるのかを明確にしていきます。
・漫画原稿の管理について出版社と話し合っていきます。

このうち第2項と第3項については、結果的に厳しい現実を突きつけられた格好となっている。作家と出版社の間で所有権を含めた権利関係を取り決めた契約書を作る慣習がなく、口約束で仕事が動いていく業界の体質と、作家と出版社の双方がその利点を享受している現実が、このような事件の解決と再発防止を難しくしている。しかも、明確な契約の存在が現場の負担になることを恐れる意識は根強く、性急な改革に対する抵抗も大きい。(これはアニメでも同じ。先日の下請法改正でも問題になった部分である。)

しかし、結局のところ最も割を食うのは末端の作家たちである。この事件の後、せめて納品書や預かり証を発行していこうとする意識はどれほど高まったのだろうか。大手、中小を問わず各出版社はほぼ完全に沈黙したままだ。

デジタル制作、デジタル入稿が当たり前になる時代がもう来ている。生原稿の意味も根本的に変わっていく。権利と管理の問題をおろそかにしたまま、出版業界はどこまで行けるのだろう。物書きとその作品で商売するプロとして、半歩でも前に進む姿勢、変化の可能性を見せて欲しい。

最後に一言。
会の世話人や賛同者が各個人サイトの日記に会の内情を自由に書き込み応酬し合うという歪んだ状況が続く中で、情報が降りてこない公式サイトの管理人として、一般の人々に対してもバランス感覚と誠意を失わず対応し続けたすがやみつる氏に、この事件をネットで追いかけたひとりとして感謝申し上げます。

「図書貸与権」の問題(Mystery Laboratory)

まんがの森2004.06発売コミックリスト(まんがの森)
極私的に目に止まったのは…
6/23「げんしけん」(木尾士目)4巻 講談社
6/23「グレイトフルデッド」(久正人)2巻 講談社
6/25「ラヴ・バズ」(志村貴子)2巻 少年画報社
6/25「純粋デート倶楽部」(石田敦子)上下巻 エンターブレイン
6/30「鬼頭莫宏短編集 残暑」(鬼頭莫宏)小学館
中 「ブリトビラロマンSF(仮)」(小田扉)太田出版

「ウルトラマン」初期作品の海外独占権、円谷プロの敗訴確定(ANIMAXIS.com)

漫画家、故横山隆一さん宅“離れ”を移築 鎌倉から故郷の高知へ(産経)

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