極私的マンガウォッチング「B館」

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<<   作成日時 : 2004/03/28 20:56   >>

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■TVアニメ「魁!! クロマティ高校」終了。
5点。
最終2話は、でじこは出るわ大地丙太郎は(声で)出るわ佐藤竜雄は(画も)出るわと桜井弘明監督のやりたい放題。それでもいつものクロマティに見えるあたり、原作と監督のカラーがうまく合っていたと言えるでしょう。半年間楽しめました。

■TVアニメ「エリア88」終了。
5点。
予想以上に健闘。名作長編マンガを1クールでアニメ化ということで、エリア88にやってきた戦場カメラマン新庄を狂言回しに原作序盤のエピソードをまとめた。1話完結で毎回きっちり空戦アクションを見せる手堅いシナリオ。キャラ構成やエピソードのディティールにアニメオリジナルのアレンジを入れて、原作の戦場ロマンの雰囲気を大事にしつつ間口の広いエンターテイメント作品を目指した。戦闘機を3DCGで描いたことで絵的にも映えたし、TVアニメで毎回アクションの見せ場を作れた点も評価できる。
TVアニメのメカアクションは急速に3DCGに置き換わっている。

■TVアニメ「みさき クロニクル 〜ダイバージェンス・イヴ〜」終了。
5点。
実はあまりきちんとストーリーを追えていないのですが。ワームホール、インフレーション理論、時間障壁、平行宇宙などなど、SF要素てんこもりの設定なのに、画だけ見ると女の子キャラが乳揺らしてモンスターと戦ってるだけの話に見えるという、不思議なバランスの作品。シリーズ構成&脚本の野崎透が良くも悪くも作品をハードSFのカラーに引っ張った。前シリーズを合わせると2クール作品で、オリジナルSFアニメとしては立派な結果。個人的な好みからは外れますが。

■TVアニメ「ふたつのスピカ」終了。
5点。
放送スケジュール前倒しで1.5クール全20話という変則フォーマット。制作がやばいという噂もあったが、破綻なく乗り切った。原作をなぞる形のおとなしいアニメ化。最終話は脚本・絵コンテ・演出を望月智充監督、作画監督をキャラデザの後藤真砂子が担当し、高い作画クオリティで締めた。

■TVアニメ「京極夏彦 巷説百物語」終了。
5点。
ぐねぐねと歪んだ背景美術、黒を多用したコントラストの強い怪しい色彩、極度に簡略化された脇キャラのデザインなど、アニメの画の自由度を活かした個性的な映像を高く評価したい。

■TVアニメ「カレイドスター」終了。
8点。
1年間本当に楽しかった。アニメはまだこんなにも夢を描ける。素晴らしい作品を作ったスタッフに感謝を。

小さい頃から憧れてきたカレイドステージに入団した若きヒロインが、スターを目指して様々な困難を乗り越え成長していく青春サクセスストーリー。明快で力強い作劇、快活で魅力的なキャラクター、高いレベルで安定した作画、と3拍子そろった秀逸な作品。前半2クールと延長シリーズ「新たなる翼」2クールを合わせた全51話を通じて高い完成度を維持した。
監督は佐藤順一。1年間の長丁場を、硬軟を織り交ぜた演出で乗り切った。「プリンセスチュチュ」等で見せた密度の高い画作りの回と、「美少女戦士セーラームーン」で培ったマンガ的なリミテッド演出の回をバランス良く使い分けて、クオリティにほころびを見せなかった。アニメーション制作のGONZO DIGIMATION、そして海外スタッフの健闘も光った。

>ストーリー
新人のそらがスターのレイラのパ−トナーへと成長して幻の大技を成功させるまでを描いた第1シリーズ。第2シリーズ「新たなる翼」では、新キャラクターのメイとレオン、さらにロゼッタがレギュラーに加わり、レイラが去ったステージでカレイドスターを目指すそらを描いていく。

大きな目標を失って迷い道に入るそら。レイラに憧れて入団してきたメイは、レイラから託された夢をもてあますそらに闘争心を剥き出しにする。悪魔と呼ばれる冷徹なレオンのパートナーの座を巡って争うそらとメイ。しかし、そらの違和感は次第に大きくなっていく。「これが、わたしの作りたいステージなのだろうか?」そして、サーカスフェスティバルの途中棄権で迷いは頂点に達する。敗北と失意。だが、この挫折をきっかけに、そらはレイラとは違う自分の夢のかたちに気づく。
彼女が作りたいのは「争いのないステージ」。その幼いイメージに対して、周囲からは厳しい批判が浴びせられる。この夢は甘い幻想に過ぎないの?気持ちに整理がつかないそらの背中を観客の笑顔が後押しする。そらが出した答えは、悪魔の心にさえ潜んでいる天使の心を呼び覚ます「天使の技」。そして自分の道を歩きだしたそらの前に、もう一度レイラが立ちはだかる。伝え残したことを伝えるために。挑戦すること、力の限り競い合うこと、そして後を追ってくる若い力を正面から受け止め、全力で戦って敗れること。「天使の技」がカレイドステージを包んだ日、そらは真のカレイドスターになった。そして夢は受け継がれる……。

様々なアイデアを盛り込んだステージパフォーマンスや、スポ魂全開の大げさな特訓シーンなど、全編通じて「画で見せる」ことへのこだわりが感じられた。そらのアイデアや努力をどういう画で見せるか。挫折、葛藤、そして夢の形をどういう画で表現するか。「人魚姫」、「仮面スター」、「幻の大技」のステージなどなど、大事な見せ場で演出の要求に応える画が作れていたことは高く評価したい。(最終回「天使の技」がもう一息だったのは惜しい。)たとえ荒唐無稽でも、いや、荒唐無稽だからこそ、それが演出の力になり視聴者の心にリアルな記憶となって残る。それがマンガやアニメの持つ自由な表現の魅力だったはず。ストーリーを「見る」楽しさがこの作品にはあります。

>キャラクター
第2シリーズは登場人物が増えてキャラを掘り下げきれない部分もあり、完成度は第1シリーズに半歩譲るが、受け継いだテーマの膨らませ方は上手かった。
メイはいわば「遅れてきたそら」。入団したときには憧れのレイラは既にいない。そのため、レイラのパートナーだったそらに激しく対抗し、技を磨いてそらを打ち負かそうとする。パートナー潰しと呼ばれる冷徹なレオンとともに、メイとの争いに追い込まれていくそら。メイのある意味そら以上の明快さが、そらの迷いをより際立たせた。
また、第1シリーズから抜擢されたロゼッタは、そらに憧れる新人として登場。かつてそらがレイラに向けていたのと同じまなざしでそらを見つめる彼女の存在によって、夢は繋がれ、テーマは厚みを増した。
そして、なんといっても不死鳥のごとく作品に君臨したレイラの存在は大きかった。結果的にメイもレオンもレイラの前ではかすんでしまった感がある。第1シリーズでそらに夢を託して引退したレイラ。第2シリーズでは悩むそらを導こうとするが、それがかえってそらを追い詰めることになる。しかしやがてレイラとは違う道を歩き始めたそらを受け入れ、争うことに臆病なそらの心を解き放つために再び舞い降りる。そらを最後まで縛っていたのは、きちんとそらと戦って負けることなく引退してしまった自分なのかもしれない、と。だからもう一度、あなたがもっと強く飛べるように。第2シリーズを締めたのもやはりレイラ。本作の影の主役と言っていいだろう。ラストでレイラがそらに贈った言葉に胸が熱くなった。

それにしても、女性キャラクター強し。夢を追いかけるそら、不死鳥レイラ、アグレッシブなメイ、舞台演出家として伸びていくミア、コメディを愛するアンナ、そらを追いかけて走り出したロゼッタ……。作中に登場するヒロインたちは誰もが生き生きとしたエネルギーに満ちていて魅力的。一方、男性キャラは彼女らの輝きに圧倒されっぱなし。過去の因縁を逆恨みして悪巧みするユーリ、死んだ妹の思いに気づかないままいじけていたレオン、厳しいフリして実は不器用なだけちゃうんかというカロス。自らの翼で自由に空を駆ける女たちと、それをじっと見守る翼のない男たち。ヒロインキャラ全盛の今のアニメとその視聴者の関係にだぶって見えてしまうのは僕だけでしょうか。せめて、好きな人の側で献身的にサポートするケンくらいにはなりたいものです……。

本作のマスコット(?)キャラ、ステージの精フールの使い方も上手かった。狂言回しの役割以外はコミカルなシーンに使われることが多かったが、ステージに選ばれた者にしか姿が見えないという設定が要所で効果的に機能した。22話のラストや最終話の使い方にはぞくぞくした。
カレイドスターが女性ばかりなのはフールの趣味に間違いない。

>広橋涼に注目!
主人公そらのC.V.広橋涼の好演はこの作品を語るときに外せません。カツゼツのしっかりしたクリアなアニメ声にしっかり感情をのせた演技で、ヒロインの魅力を引き出しました。

>カレイドスターの すごい アニメーター
シリーズ通じて高いレベルで作画が安定していた本作ですが、その中でも特に印象の強い回がいくつかあって、EDクレジットを見ると和田高明という人の仕事。この人の作画は要チェックです。極私的オススメは7話、41話、33話。細かい仕草にリアルな演技がついていて、その観察眼の鋭さにハッとします。動作のタイミングの取り方やポージングが上手くて、速いアクション、動きの大きいアクションにも説得力がある。胴体から大腿にかけてしっかり肉を付けたボディバランスも特徴。今後の活躍が期待されます。

和田高明の参加話数:7話(演出、作画監督)、14話(演出)、22話(演出)、33話(演出、作画監督)、41話(演出、作画監督)、47話(作監協力(犬))、49話(作監協力(鳥))、その他原画。

>放送枠
こういうオリジナル作品を地上波テレビの土曜午前中という枠で1年間放送できたことはとても意味があると思います。一方、営業面ではアイテム性の強いDVDボックスの売り上げに頼る今風のスタイル。コンビニのローソンと提携した「幻の大技BOX」「私の夢になってよBOX」などユニークな販売戦略でマニア層にアピールしました。作品後半からテレビCMに登場した3Dキャラがかわいくてよかった。

>カレイドスターの すごい 見どころ
「カレイドスター」の素晴らしいところ。それはこの作品が一貫して「自分で何かを作り出す」物語だったこと。力を尽くして困難に立ち向かって夢を実現していく姿を、抽象で誤魔化すことなく絵とストーリーで描いたところ。

アニメは、襲いくる外敵から町や地球を守るために戦うお話に浸食され過ぎた。より強い敵を撃退することで強さを計り、クライマックスは戦闘と爆発シーンで、ラスボスを倒したらエンディング。守り通した平和な世界で彼らが何を作っていくのかは語られないまま、お話は終わり、そしてまた次の作品では新しい敵が襲ってきて、新しい仲間が迎え撃つ。その繰り返し。
やがて戦いに疲れた人々は、このままではいけないと気づく。そして別のお話を語り始める。だが、それは「戦っても勝てない話」だったり、「戦っても解決しない話」だったり「戦わない話」だったりする。ところが、彼らは「自分の夢を叶える話」をどうしても作れない。戦争が終わった世界で居場所を失った帰還兵のように、戦闘という物語から逃れられない。かろうじて、「ずっとこのまま夏休みが続けばいいのに」という物語が提出されるばかり。外敵と戦う兵士の物語と、永遠の夏に遊ぶ子どもの物語。それがアニメが好む2つの世界であり、おたくが見る夢の正体なのかもしれない。成長を描くために「閉じた世界を壊して外へ出ていく話」を語っても、出ていった先で何をするかはやっぱり視野の外。

だからこそ、自分の夢や生き甲斐を追いかけるキャラクターの成長物語がもう一度必要なのではないだろうか。作られたファンタジーに遊ぶ物語ではなく、自らの手でファンタジーを作り出す物語こそが、陰鬱な「リアル」を砕く楔になるのかもしれない。
全話観終えて、あらためて「カレイドスター」という作品をとても愛しく感じる。この物語の強さが、たくさんの人に届いて欲しいと思う。

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東京国際アニメフェア 2004が開催 −2003年No.1アニメはガンダムSEED、石原都知事も出席(AV Watch)

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